ゆるブラック企業ってなに?求職者や社員が企業に求めること
昨今、「ゆるブラック企業」と言われる企業があることは知っていますか?ブラック企業やホワイト企業とは何が違うのでしょうか。
なぜ「ゆるブラック企業」という言葉が出てきたのかを知ることで、採用活動や社員の定着率向上に活かせる部分があるかもしれません。今回は、ゆるブラック企業について解説します。
ゆるブラック企業とは
ブラック企業、ホワイト企業の特徴
ゆるブラック企業は、ブラック企業ともホワイト企業とも異なる特徴をもつと言われています。まず、ブラック企業、ホワイト企業の特徴をあげてみましょう。
職場環境が悪いとブラック企業、その逆の特徴を持つとホワイト企業と言われていることがわかります。
ゆるブラック企業=ゆるすぎて辞めたくなる?
では、ゆるブラック企業とはどんな企業なのでしょうか。ブラック企業とホワイト企業の中間ということなのでしょうか。
ゆるブラック企業と言われる企業は、以下のような特徴があります。
・時間外労働が少ない
・それほど難しい仕事ではない
・会社の雰囲気も良く、居心地がいい
ここで注目したいのは、ゆるブラック企業は一般的にホワイト企業と言われるような職場環境であることが多い点です。
しかし、ゆるブラック企業と言われる理由は、「職場環境はいいもののやりがいを感じられない」というところにあるようです。
・同じような仕事が続いて給与が上がらない
・自分の成長が見込めない
などやりがいを感じられないと、ブラック企業ではないけれど、「ゆるすぎて」自分にとってプラスにならないという意味で、ゆるブラック企業であると感じてしまうのです。
これらは入社してから感じることが多いため、自分の希望通りの条件の会社に入社したと思っても、やりがいを見出せず離職してしまうといった事態が起こるのです。
働きやすさとやりがい
ゆるブラック企業で働きたいかという調査に関して、およそ7割は「働きたくない」と回答しています。その理由として、「成長できない」「収入が増えない」という理由が上位2つを占めています。
一方で、会社に求めることとして、「安定した収入」「ワークライフバランスのとりやすさ」などの働きやすさを求める声が多いです。このことから、求職者は働きやすさとやりがいの両方を求めていることが分かります。
ゆるブラック企業は、働きやすい環境であることが多いですが、やりがいが見出せないというところに不満がたまります。特に20~30代の若手社員にとっては、自分のスキルアップが見込めず、このまま働き続けていいのだろうかと思ってしまうのです。
そのため、単に働きやすさだけを目指して環境づくりを行うのではなく、やりがいを得られるような体制を整える必要があります。
参考:株式会社AlbaLink「ゆるブラック企業に関する意識調査」
何をやりがいといえるのか
ブラック企業、ホワイト企業といった分類は職場環境にフォーカスしがちですが、ゆるブラック企業という言葉が現れたことによって「仕事のやりがい」も注目されるようになりました。
エン・ジャパン株式会社の調査によると、仕事でやりがいを感じることは、「お礼や感謝の言葉をもらうこと」「仕事の成果を認められること」「目標を達成すること」が上位にあがっています。自分の仕事の頑張りが成果として見えると、やりがいを感じる傾向にあるようです。また、自分自身の成長につながっていると実感することも、やりがいになるといえるでしょう。
そのため、社員にやりがいを感じてもらうために、適切な評価制度やスキルアップへの支援などを整えるといいかもしれません。
ゆるブラック企業は会社自体も成長しない
ゆるブラック企業は、やりがいを感じられず離職する人がいる一方で、仕事が楽、人間関係も良く居心地がいいなどの理由から、特に転職を考える理由にならず会社にとどまり続けるという人も一定数います。
離職率が低いので会社としては採用コストが抑えられ、安定して人員配置ができているように見えます。しかし、仕事が楽でとどまっている人が多い場合、仕事が楽な現状に満足している場合が多いので、新しく事業に挑戦するなどの雰囲気がなくなってしまうといった影響が懸念されます。
ゆるブラック企業は、会社自体の成長が見込めない状況に陥る可能性があるのです。
まとめ
働き方改革によって働きやすさが求められ、ワークライフバランスが整った企業が増えました。しかし今後は、やりがいにも注目した求職者が増えることが考えられます。働きやすさとやりがいの両方のバランスが重要になるでしょう。
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